【FIFA 08 & PES 2008】ジャンクエッセイ13

多くの人は”ジャンク”と聞けば、ラーメンか電化製品、ガラクタを想像するだろう。だがモノとして存在してしまえば、すべてのカテゴリーがジャンクになりうる。すなわち、コンテンツもジャンクになる。

よくあるコンテンツジャンクと言えばCDやDVD、昔のゲームソフトが挙げられる。よくハードオフで青い箱の中に詰められている品々だ。このジャンクは状態が悪い、コンテンツの再生ができないという理由でジャンクになるというよりかは供給過多すぎてジャンクになる場合がほとんどだ。つまり価値がほとんどない。たとえば全国どこのハードオフに行っても”J-soulなんとやら”とか”AK-B48″とかのCD・DVDを見ることができる。リユースショップで全店舗(近く)取り扱いがありという希代な例である。

あと他にはコンテンツのジャンクとしてリージョンコードが異なるというものがある。リージョンコードとは国・地域ごとに販売された場所が記録されており、ほかの地域で流通している再生機では再生できなくなる。したがって海外から入手されたソフトは日本国内では再生できないためジャンク行となる。これらは米軍基地近くのハードオフや外国人の多い地域で見られるが、リージョンコードが異なるソフトはほとんどがPCで再生可能であることと、一般的な流通品よりもはるかに安く手に入れることができるためかなり価値が高い(私にとって)。たとえばアニメSimpsonsのDVDBox等は日本版の実に1/4ほどで手に入った。どうせUSの作品だし英語で見たほうが変な日本語訳ではないので良いに決まっている!

昔のゲームのジャンクといえばPS2・PS3・DSの作品がジャンクとして扱われがちである。これらは旧型のコンソールのもの+供給過多なソフトウェアとしてジャンク品扱いとなる。

実は中にはPCゲームのソフトウェアもジャンクとして売られていることがある(ここからが本題だ)。PCゲームと言えば、新旧はあるもののコンソールが変化することはない。基本的にx86/64のコンピューターアーキテクチャ状で動作し、OSがWindowsならほぼすべてで互換性を有する。したがってコンソールを持っていないとか、古すぎて起動できない(古すぎて起動できなくても有志による改造パッチがかなり高確率で存在する)とかいうことはほぼない、素晴らしい互換性を有する。しかしこの十年でPCゲームの扱い方はオンラインでの販売・DLで行われているため、実際にソフトをディスクとして物理的にお目にかかることはない。だがさらにその十年前、2000~2010まではPCゲームもディスクで扱われていた。

ハードオフで目にするPCゲームのジャンクとしてよくあるのは3パターンで、1つ目はアカウント紐づけ式オンライン認証が必要なタイプ。こちらは大変なゴミで、丁度ソフトのディスク販売から完全オンライン販売へ切り替わる2010~2013年ごろに存在していたもの。これらは高確率ですでにどこかのアカウントと紐づけされており、どうしようもない。この時代のPCゲームはタイトルにかなり恵まれているため、くやしいことこの上ない。英語版で2つ目はシリアルコードが紛失されているもの。こちらは1つ目のパターンとの混合タイプを除き最高である。とくに2004~2009年代のゲームの英語版の場合は高確率でシリアルコード生成ツールがどこぞやのロシアサイトに点在しており、探し出せれば遊ぶことができる。3つ目は古すぎる&英語版である場合。こちらも言わずもがな最高のジャンクだ。

丁度2004-2009年代のPCゲームはPC強者がゲームをする時代であり、いかなるゲームもかなりの数のMODが作られていた。そのためグラフィックやストーリー性、オンライン環境は現代のゲームにとても立ち打つすることはできないが、自由度や拡張性、楽しみ方ははるかに深く広い。またNo-CD等のツールも充実しているのでとても快適にゲームをすることもできる。

最高なジャンクPCゲームの例としては、GTA SA。これがあった場合は迷わず購入をお勧めする。これほど自由度が高く、拡張性にあふれたゲームはなかなかない。特にCar modやMap変更等の数が尋常じゃなく多いため、改造込みで遊び倒すことができる。またBF2も同様に最高のジャンクPCゲームだ。どちらも大体330円くらいで売られていることが多い(特に英語版)ので費用対暇つぶし効果は絶大だ。

今回紹介するジャンクは流れの通りPCゲームなのだが、日本で見かけることは自体大変珍しい一品だったのでここに記したいと思う。

FIFA 08 およびPES2008。FIFAと聞けば、知っている人ならサッカーゲームだと大体想像がつくだろう。その通りでこちらはFIFA2008のPCゲーム版(!?)のことだ。ではPESとは…?

PESとはPro Evolution Soccer 2008の略のことでknown as World Soccer: Winning Eleven 2008 in Asia and sometimes called World Soccer: Winning Eleven 11 (PS2) in North Americaとのことである。すなわちコナミがだしているウイイレのことだ。これがヨーロッパでは名前を変えてこのように呼ばれているらしい。

して、今回はこれらのジャンクを見つけ出してきたわけだが、はじめにこれらのサッカーゲーム版があったことすら知らなかった。おそらく日本ではPC版など売りにすら出されていなかったのではなかろうか?おどろいてすぐに買ってしまった。

まず初めにこれら2つとも未開封だった。おそらく販売店だと思われる商品シールがそのままビニールパッケージに貼られていた。価格110円。このシールの言語欄が黒く消されたポルトガル語とスペイン語と、イングリスとなっているのを見るに、おそらくイベリア半島のどこかの店で売られていたゲームなんだろうか。残念ながら記されていたwww.bitseclicks.comなるサイトは2023年現在存在していないようだった。2007年発売のソフトであることを考えると実に16年近く未開封のまま保存されていたことになる。なんという保存状態だ。ついでに自宅のPCにドライブがなかったのでそちらもジャンクにて購入550円。一番高かった。

さて中の状態を見てみよう。

どちらも新品なだけあって状態はすこぶる良い。シリアルコードも普通に記載されていたし特に問題はなさそうだ。しかしFIFAのルーニーとロナウジーニョ(バルサ)とは時代を感じる。しかし…PESのほうはポルトガル代表着のクリロナと…ニューカスルのオーウェン。何故だ??

どちらも要求スペックは同じようなものなので一例。とても低スぺを要求されていて笑ってしまう。現代のPCの圧倒的な処理能力でひれ伏せてくれよう。しかし16年前から考えるとPCの進化というものはすさまじいものがあるとここでも実感することができる。

早速ゲームをインストールしようとジャンクドライブをPCにつないでみる。しかし読み込みランプは点灯するもののPC側が読み取ってくれない…一番高かったのに…。

ただちに分解して状況を確認してみる。ドライブのレンズ駆動部を指で移動させて駆動させてみる。本来ドライブのレンズには定位置が定められており、起動時に移動するはずである。しかしうんともすんとも。どうやらドライブ側に不良がありSATA to USBの変換基盤には特に異常がないようだ。

となればドライブ交換に限る。手元にあった超骨董ドライブに変更する。左が新しく交換したドライブで右が壊れているものである。2010年のドライブを2009年のものに交換。ソフトが2007年のものであることを考えると特に古くても読み込み速度的に問題はないだろう。だがここだけは現代でスペックを圧倒できなかった。

実のところドライブは持っていたがSATA to USB変換がなかったがためにジャンクを買ったので、結果的にはOKだ。しかしこの部分だけだったらもっと安く買えたかもしれない。

無事に読み込めるようになった。レーザーによってディスクが傷つかないか確認するために適当なCDで試してみたが、特にCD裏面が焼けて傷つくこともなかったので万事OKだ。

ではいよいよインストールしてみる。まずはFIFA 08から試してみよう。

無事読み込んだようだ。あとはインストール画面が立ち上がるか…

とりあえずインストールを選択して

シリアルコードも説明裏に書かれていたものを記入。

AdobeのShockwaveとFlash Playerのインストールを要求される。しかしながら現在はどちらもサポートが終了されている上に代替品が存在するのでインストールせずにスキップ。

インストール継続でステータス100%待ち。

さてこういう古いゲームにはこういうものを要求されがち。こちらも標準でWindowsに互換・標準で機能が搭載されているのでスキップ。ネット等で調べるとDirectPlayの有効化の方法は載っているのでここでは割愛。

インストールが終わってゲームを起動するとこういうエラーが!グラフィックアクセラレーターを要求しているがGPUはすでに搭載されている。こういう昔のゲームは最新ハードウェアに対してドライバが認識できなくてこういう不調をよく訴えてくる。そのため意外と現代スペックでビンタを食らわせられないことが多い。

みんな大好きサイト。このサイトではGTASAやBFのNo-CD/DVDパッチやCLEOを配布している老舗のサイト。この時代のPC版FIFAはかなりマイナーなはずだがもれなくパッチが存在した。こういう場合はNo-CD/DVDのパッチを充てると、どういうわけか回避できるようになる可能性が高い。この場合もそれで解決した。ちなみにNo-CD化のやり方はGTASAと同じ。

うをーついに起動した!ハリー・ケーンってこの時からスパーズいたの!?キーボード操作が難しすぎて即失点した図。

同じくウイイレもインストールしてNo-CD化して問題回避&解決して

うおー!懐かしい!こちらは丁度世代でよくPS3でやっていた!そうそうこんな感じだった!

どういうわけかPES2008のほうはキーボード操作に対応しておらず、別途コントローラーを用意しないといけなかった。何のためのPC版だったんだろうか?おそらくPC版を出す予定がそもそもなかった可能性がある。FIFAに比べると解像度や画質設定等のPC特有の設定項目がなく、PS3と同じような設定しかできなかった。故にヨーロッパ圏等での需要に押されて用意したPC版って感じだ。

今回のジャンクはハードでなくソフトという斜め上のものを紹介した。ハードウェアに比べると価値の感じ方がさらに個人によるものが大きい。が、それがゆえに人によってはとてつもないお宝になったりする。今回はとりわけ価値あるコンテンツだったというわけではないが、これはこれで興味と新たな発見、そして懐かしさと、、、そして正直にいうと、サッカーゲームがやりたかったけど現代のPCゲームの要求スペックに私のPCが全く追いつけていないためにできなかった、という状況を加味すれば十二分に価値あるジャンクだったといえよう。

しかしながら、選手が古すぎ&人の動作が不自然すぎてサッカーゲームをやっているというにはいささか不十分だったともいえる。ドログバにボール預けたらハーフウェーラインから点を決めちゃうからね。

ag16034

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