【Pogoplug mobile POGO-V4】ジャンクエッセイ9

久しぶりの投稿

最近は心躍るジャンクに出会うことがなかった。インターネットで物の価値が容易に調べられる現代は、ジャンク品とはいえ得した気分でモノを入手することが難しい。

が、一昨日最高のジャンクと出会ったので是非ともここで紹介しよう。

【Pogoplug mobile】model : POGO V4-A1-05 ーNASの先駆けみたいなもの、というよりか自前クラウドというべきか。

内容は本体とACアダプター、LANケーブルと取扱説明書。

この製品はネットワーク上にストレージとして存在するためのデバイスだが、その構造はNASよりもユニークでドライブやストレージ自体は自分で用意して接続する。何TBでも手持ちのSDカードでも良いが、ともかく自分で用意したストレージをネットワーク上に仲介するデバイスだ。

それだけでも革新的だが、さらに面白いことにその設定自体はデバイスを製造した企業のHPを経由する必要がある。そのためこの製品がうまくいかなかった2022年現在、サイトは存在せず正規の利用は全くもって不可能である。

が、しかしこの製品はその程度の事でサイトが停止する企業が運営していたため、ーつまり、大手企業出なかったために製品構造がオープンソースに頼っている。そのためハッキングしやすいのだ。※逆に大手企業がこの手の製品を作ると自社規格、ソフトになるためハッキングは難しい/不可能だ。

システムがLinuxで構成されており、OSを書き換えれば自由自在に使うことができる。しかも製品は古いうえに、そのことはあまり知られていないために安く入手することができる。事実これも550円だった。

問題はv2までは日本語化されたハッキングサイトが多かったが、v4となった最終版には英語サイトしか存在しないという事だ。だがこれは語学の勉強が十分の人には問題にはならないだろう?

して、早速購入しているハッキングしてみる。まずは動作確認からだ。

普通に使用することはもはやできない。なぜなら付属の説明書に従って製品を設定するためにインターネット上のサイトにいくことを求められるが、そのサイトはもはや存在せず、ここで終了となる。

したがってこの状態ではどうすることもできないので、はじめに製品を分解することから始まる。分解するとシリアル通信を行うための半田基盤をみつけることができる。

ここからTX-RX-GNDを引き出す。VCCはどちらも電源供給線が別途の存在するため不要である。信号を通信する以上はGNDは必須だ。

せっかくなのできれいにはんだをしようと、秘蔵のコネクタを持ってくるとピッチサイズはピッタリのようだ。

しかしはんだを取り除くと、驚いたことに4端子のうち基盤に穴が開いていたのはTX-RXのみのようだ。仕方がないので端子は曲げてなんとか綺麗に固定する。どうせもう外さないから接着剤でがちがちに固定してしまう。これて端子を引き抜いても基盤の電子回路ごと取れることはない。

手持ちのTTL-USB変換器を用いてPCに接続する。この手の物は一家に一台は備品が必要だ。GNDはテスターで分かるが、その他の端子がTXかRXかどちらなのかは繋いでから入れ替えて確認する。

その後TeraTermでUSBを確認してみるとどうやらなにかシグナルを受けているようだ。速度を115200としてやるとしっかり受信する。

おお、そもそもシステムそのものはLinuxベースのようだ。この段階でも十分にいろいろできそうだが、POGOソフトやらがベースのため自由度はない。したがって書き換える必要がある。

一応、確認したv4のスペックはこんな感じ。まぁ古いだけあっていいとは言えない。

さてこの機器はLANケーブルを接続すると、使えなくともDHCPからIPを受け取りネットに接続する。そこでコマンドライン上からサービス用のプログラムを停止して、Arch Linux ArmをDLしてインストールする。その方法は今更述べることもない。以下にリンクを張っておこう。

https://archlinuxarm.org/platforms/armv5/pogoplug-series-4

ここで私が述べたいことは、上手くインストールできても起動しないことがあるという事だ。

この手法は元のPOGOソフトウェアのあったROMにU-Bootを書き込み、USBからOS(Arch Linux)を読み取るというものだ。※v4ではSDカードからではOSは読み取れないから注意だ。

エラーか故障か見分けるために、USBは読み込みに光る奴が良い。無音無光だとどうなってるかわからん。

再起動をかけるとまれに以下のメッセージが飛んでくる

[ end Kernel panic – not syncing: Attempted to kill init! ]

こうなってはいくら待っても起動しない。これはつまりOSの書き込みに失敗しているのだ。だが安心していただきたいのはここまでくるとU-Bootの書き込みは成功しており、あくまでもUSB上のOSさえ書き換えられればそれでよい。

面倒なことは、パーティションの構造等を含めて起動する条件があるため、Windowsからではどうしようもない。別途Linux機器を用意してOSを書き直すしかない。もしくはVMか。

起動すればこんな感じでSucsessする。

  • Login as the default user alarm with the password alarm.
  • The default root password is root.

とのことで、ログインとパスワードはalarmだがこのままではにっちもさっちもいかないのでroot権限でログインしなおして色々整備する。

とくにArch Linuxは権限はsudoでなくsuだし、パッケージ管理はaptでなくpacmanだ。この点を修正しなおして自身の環境にあわせよう。インストールが済むとSSHでのコンソール上のアクセスが可能になるためもはやUSBは不要となる。組みなおして作業はおしまい。ちなみに体感上、2回に1回は起動に失敗するようだ。頻繫に電源の入切はしない方が良いだろう。

して、Linuxが動く何かが手に入ったわけだが、この機器は古いしスペックは微妙だしなんの意味があるのかと思われるかもしれない。

しかしなにか機器を作ろうと思ったときに、Arudinoでは不十分、Ras-piではオーバースペック、でもリモートアクセス可能なものが必要な時、これほど最高なものはない。そうでなくたってたったの550円だ!

最近はどんなジャンクだってみんな元の値段を調べてしまう。だから高いとは言えないがそれそれ相応の価格でしかものは出回らない。

そんな中でもこんな面白いものは存在する。普通ではサービスが終わっている商品は適正価格では売れない。だがひと工夫で素晴らしい働きを見せる。

ジャンク品に乾杯!

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